2007年7月アーカイブ

 まずは翻訳進捗状況。先日、「タシャル市東辺区抜粋」の翻訳を終えました。

 カルドア王国首都タシャルは人口10,000人を超える大都市ということもあって、城壁内だけでも建物や住民の構成によって様々な様相を見せます。サプリメント「タシャル」でも都市内外をいくつかの区画に区切って解説していますが、都市の東の正門ヒールー門をくぐったすぐには、日雇い労働者たちが多数居住する「東辺区」があります。コロンビア・ゲームズのHPにある宣伝用サンプルの3ページ目(全体の11ページ目)の地図の[E]EASTSIDEとあるのがそれです。

 ここには安い借家をはじめとする建物が多数並んでおり、このうち10件については建物についての解説がなされ、さらにその中の2件については建物内部の見取り図が解説付きで掲載されています。しかし、100件以上に達する建物のうちの一部に過ぎない、ということもできるでしょう。

 「タシャル市東辺区抜粋」は、ほんの一部ではありますが、それを補強するものです。ヒールー門を入って正面右の15件の建物について、地階から屋上までの全建物の見取り図及び居住者についての情報のみならず、この地域に巣くっている犯罪者集団をはじめとする情報が収録されています。この犯罪者集団、「少年暴力団」といった方がいい組織なのですが、例えば彼らに財布を掏られたのに気付き、追いかけて路地の行き止まりに追い詰めたら姿が消えていた……ということがよくあるとのこと。どうしてそうなるのかについても解説もあります(一応ここでは内緒)。

 問題は、これをいつ発表できるか。単に発表するだけなら、協力者の皆さんによる内容確認を経た後、本HPでダウンロードできるようにすれば良いだけです。しかし、これはあくまでも「タシャル」の一部を補完するための材料。そして「タシャル」は王国モジュール「カルドア王国」を補完するもの。どうしたものやら、私も迷っています。

 補完といえば、「タシャル市東辺区抜粋」同様に東辺区の一部をさらに詳細に解説した資料「東辺区北端部」も今月5日発表されました。これも手がけたいのですが、いつになったらかかれるやら……Lythia.com関連だけでも現在4点ほど並行して作業しているのに……。

 私は日夜「ハーン」関連資料の翻訳を進めていますが、翻訳物の種類は3種に大別できます。

1:出版向け資料
 『ハーンワールド』『ハーンマスター』など、コロンビア・ゲームズからの現行出版物です。

2:出版されていた資料
 王国モジュールの初版などです。改訂版発行で資料的価値はなくなった……ということはありません。理由は後述。

3:海外のファンが作成した資料
 Lythia.comなどで発表されているものです。

 現在翻訳しているものでみると、1は『ミナルサス』、2は『オーバル王国』、3は……秘密。ともあれ、複数の資料の翻訳を同時に進めています。ある資料の翻訳に飽きたら他の資料に取りかかることで、だらけることのないようにするためです。

 ところで上記の1はともかく、2を訳していると、いろいろなことが分かります。例えば『オーバル王国』の6ページ目以降では改めてオーバル王国各所の集落の解説が掲載されているのですが、基礎となる『ハーンワールド』のものが微妙にアップデートされているのです。

 例えば『ハーンデックス』のアラセル城の項目には「ターシーの長男はこのときの大虐殺で殺害された」とありますが、『オーバル王国』では「ターシーの末子はこのときの大虐殺で殺害された」となっているのです。エラッタを発表するときは、これも載せなければいけませんね (((´・ω・`)

 改訂版出版によって初版が価値を失ったわけではない理由の一つは以上のとおりですが、それ以上なのがその他の内容。例えば、すでに昨年9月にサンセットゲームズへ入稿した王国モジュール『カルドア王国』(改訂版)ですが、これはカルドア王国の歴史や政治、経済や軍事、国内各地の集落とその現状について60ページにわたり解説しているものです。そして都市や主要集落についてはそれぞれ1ページが与えられているだけで、『ハーン』の基準における詳細な情報とはなっていません。文字どおり王国そのものについての設定資料集となっているのです。

 ところが『カルドア王国』初版(良さげなリンク先が見つかりませんでした)を見てみると、総ページ数こそ64なのですが、王国本体については18ページしか使われていません。残りは、王国の北の要衝にて国王直轄領オロカンドが8ページ、王国首都タシャルに次ぐカルドア第2の都市カイバンが6ページ、『塩の大道』上の唯一のファリン川徒渉可能地点トロブリッジ・インが4ページ、“地を統べしもの”の遺跡アニシャが8ページ、“落とし子たちの主”ロスリムの本拠地で今は廃墟となっているエルカール・アヌズが10ページ、チェルニー部族、カス部族が各2ページ、タルウィーン部族が4ページとなっています(残り2ページは中表紙など)。逆に言えば、王国本体の解説は改訂を経て3倍以上に増えたこととなります。

 また王国首都タシャルについて、初版は王国モジュールではなくCities of HarnSon of Citiesの2冊に分収されていた(かつてはこれらを合本して『ハーン都市ガイド』として発売候補に挙げていました)のですが、合計して12ページ。ところが『タシャル』として“ハーンクエスト”シリーズの独立したサプリメントで登場すると、なんと(表紙などを除いて)70ページに膨れ上がりました。

 またオロカンドも、初版(『カルドア王国』初版に収録されていたもの)の8ページに対して、『オロカンド』では(表紙などを除いて)38ページに。さらに『ミナルサス』『ガーディレン』など、初版では取り上げられていなかった集落の独立サプリメントも登場しています。

 しかし、初版『カルドア王国』に収録されていたカイバンやアニシャ、エルカール・アヌズは、今のところ“ハーンクエスト”シリーズなど独立した形で発行される予定がありません。個人的には、遺跡そのものよりもガルグーンの生態で興味深い記述のあったエルカール・アヌズなどは、是非設定を強化して改訂してほしいものだと思っているのですが。

 ともあれ、このような事情で、おそらくは日の目を見ることはないであろうサプリメントも翻訳を進めています。機会があれば、本ブログでその一端を紹介させていただければと考えています。またJCGなどの場ではお見せできると思いますので、興味のある方は、是非サンセット・ゲームズのブースに足をお運び下さい。

 昨日、カルドア王国第2の都市で北方の要衝『オロカンド』の翻訳を終えました。これからレイアウトを施し、8月末のJGCまでには仕上げたいと思います。おいでいただいた方には、これまで翻訳した『カルドア王国』や王国首都『タシャル』などとも併せてお目にかけられるでしょう。

 翻訳については直ちに、カルドア王国東方の要衝にして王国最有力の貴族ヴェミオン伯爵の本拠地『ミナルサス』にかかりました。JGCまでに間に合わせることを目標にしていますが……できるかなあ?

 ところでこれをお読みの皆様に意見をうかがいたいことが。皆様は、ルールメカニズム「ハーンマスター」と背景世界設定資料「ハーンワールド」のどちらの方に興味をお持ちでしょうか。また、出版するとしたらどちらの方を優先すべきとお考えでしょうか。

 私はこれまで、『ハーンワールド』『ハーンマスター』を出したら、まずはルールメカニズムを完結させるべく『ハーンマスター・マジック』『ハーンマスター・レリジオン』を出し、それから『カルドア王国』など背景世界設定資料を出した方がいいと考えていました。しかし、一部掲示板などを見ると、どうも背景世界設定資料の方が求められているような雰囲気があり、そちらを優先した方がいいのかもしれないと思い始めているところです。

 この考えを後押しするようなことが、海の向こうでもありました。『フィヴリア学派拡張キット』がそれです。『ハーンマスター・マジック』では、ハーンワールドにおける6つの魔術学派とそれぞれの呪文(及び全学派で利用可能な共通呪文)が紹介されています。掲載されている呪文の数は、各学派10個ずつ(共通呪文は22個)。これでは呪文が少ないと考えたのか、Lythia.comなどで追加呪文がいろいろ発表されていたのですが、公式出版物としても追加呪文群が登場することとなったのです。しかし、今回発売されたのは6つある魔術学派の一つ、フィヴリア学派のもののみ。とすると、今後も他の5学派や中立呪文についても発売されるものと思われます。

 これらの追加呪文群が全学派で揃っていれば、私は迷うことなく日本語版にて『ハーンマスター・マジック』と一体にすることをサンセット・ゲームズに提案したでしょう。しかし現在出版されているのは1学派のみで、残りがいつ発売されるかは不明。どうしたものやら思案し、それならば『カルドア王国』など背景世界設定資料を先に発売した方がいいのではとも思い始めた……というわけです。

 どうか皆さんのご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。